東京地裁に行って来た5〜急ぎ足でやっつけよう

審判員さんからの事前説明の中に
「掴み合いのけんかなどはせずに…」
とありましたが、反対に
「これは争いですから、お互い失礼なことを言い合う場合があります。年齢がいった方には言いたくない言葉ですが、仕事のやり方を否定されたり、能力がないなどと攻撃されたりします」
「意見を聞かれたり発言の場合は、遠慮しないように。言いよどまないように話してください。遠慮した場合、理由があって遠慮すると受け止められます」
とも言われました。


遠慮しないで意見を述べること、というのはなかなかうかがい知ることの出来ない労働審判の中でも、重要ポイントだと思いました。
経験者が言うには、とにかく「冷静に」「事実を積み上げる」ことが大切だそうです。


考えれば当たり前ですね。でもこれは意外と「普通人」には難しい。


ただでさえ抵抗感のある法廷での争いに、感情的にならない人はいないでしょう。しかも、お互いの欠点や失敗をあげつらうことになるのです。
ですから弁護士さんからのアドバイスを十分に受けて、自信を持って事実を明らかにすることが必要なのです。


そうは言っても、時間を取るような必要はないと審判員さんは感じていたようで、
「時間の関係が有るので、それぞれの答弁書についての詳細は議論しません」
と最初に宣言しました。
話の途中でも、ついついお互い瑣末なことで、経緯を細かく説明しようとする知人や相手側を制し、おおまかな内容の把握に終始しました。


それでも1時間以上かかったでしょうか。


私の出番はほとんどなく、弁護士さんが
「社内のその点については□□(私です)さんがご存知ですから、意見を伺いましょう」
と話を振ってくれた以外、ずっとやり取りを聞いていただけでした。
もっとも、最初から弁護士さんも
「個人対会社の争いに、助っ人がつく例は少ないのです。証人がいるだけでも審判員の心象が違います。しかも陳述書を提出するだけでなく、審判の場に来て、質疑に答える事は信憑性を与えます」
と言っていたので、私の一番の存在理由になったと思います。