東京地裁に行って来た7〜勝敗の行方

陳述(事実確認)が終わったのは正午過ぎだったでしょうか。
「出された意見などを元に、審判員3人で今後の方針を決めますので、皆さん、外で待っていていただけますか?」
と、全員また待合室へ。


審判が始まる前から象徴的だなぁと感じていたのは、申立人側と訴えられた会社側の座る位置関係でした。


私達は直前まで弁護士事務所で打ち合わせをし、時間ぎりぎりについたのですが、先に来ていたあちらの人々は、廊下に並べられた窮屈そうな椅子に座っていました。
反対にこちらは堂々とその前を横切り奥に進み、弁護士さんの案内でタバコを吸う人は喫煙室へ、吸わない人は談話室の長椅子でくつろぎ、談笑しました。
もしかして、あちらの弁護士さんは色々案内できるほどあまりこの場所に慣れていなかったのか、敗北を予想して無意識に遠慮していたのかもしれません。


審判の丸テーブルも、こちらの弁護士さんは手馴れた様子で部屋の奥に入って案内してくれたので、自然に座ることが出来ました。


審判後も位置関係はそのまま、あちらは廊下の端に座っていて、私達はリラックスすることが出来ました。


さて、係りの人が呼びに来て、あちら側が先に部屋に入っていきました。
「なんであちらが先に呼ばれたか判りますか?」
と弁護士さん。
「こっちが勝ちだからですよ。負けるほうに条件を先に提示して説得し、それをこちらに『あちらはこう言っていますけど、どうですか?受け入れますか』って言ってくるわけです」