東京地裁に行って来た10〜終劇

二週間後の二回目の審判まで、訴えを起こした知人は、また不安で落ち込む日々を過ごしたようです。


何度も電話やメールがありましたが、申し訳ないけれど、私も新しい職場で業務に追われ、仕事に慣れるので精一杯で、不安を解消して悩みを共有するまでの余裕がなかったので、
「これ以上あちらも出す証拠がないはずだし、大丈夫だと思いますよ〜」
と返信していました。


しかし実際は、私もあちらの常識のなさを痛感していたので、
「これだけ不利でも状況を読めず、もしかして暴れまくるか更にでっちあげの話や証人を持ち出して、ケンカを続ける可能性があるかもしれない…」
と密かに思っていました。
一族による経営で使い放題の経費、不明朗な給与体系、某文書の偽造などもありましたし、さまざまなパワハラが日常茶飯事の職場。
それのどれもが、経営陣は「常識的な当たり前のこと、反論される謂れはない」と本気で信じていたからです。
狭い世界で同族経営で自分達の利益だけを追求していたため、本当に世間の常識から外れていることに気付かなかったようです。
「職権の濫用」という概念がすっぽり、頭になかったのでしょう。


そして当日。知人から結果報告が来ました。


勿論結審。「勝訴」です。
最初の調停で提示されたとおり、あちらの台所事情を勘案して、通常の示談金額●ヶ月に満たない▲ヶ月分のお給料での示談を承諾したとの事でした。


確かに数百万円の大金です。それでも、決して嬉しいラッキーなお金ではありません。
知人は、法廷の場に出るためのスーツを買う時の話をしてくれました。
いい年齢になった大人が、貯金を切り崩しながら不安な日々を過ごし、きちんとした数万円のスーツが買えず、つるしの安スーツしか買えなかったそうです。
ご家族と自分のこの数ヶ月の生活は、推して知るべしです。


審判員(裁判官)さんは最後にこう言ってくれたそうです。
「私は全くの第三者で、貴方にもあちらにも加担する者ではないですが、あちらの社長さんを呼び出してこう説教しましたよ。『あなたはなんてことをしたんですか?社長としてこんなことをしでかして、恥ずかしくはないんですか?』と」


そして知人は更に、こんなシーンまで見たそうです。
裁判官に説教された後、廊下でまだごねて文句を言っていたらしい社長が、自分の頼んだ弁護士にまで説教をされていた姿を。


やっぱり、正義は勝つんです。


世の中、正しく順法の精神を説き、弱い立場の一般人を守ろうとする法律の専門家が沢山、真面目に、日々働いてくれているのです。
泣き寝入りは、してはいけません。
理由のない解雇やパワハラなどの不当な待遇は、頑張ってはねかえしましょう!それは可能なことなのです。


知人はまず、法テラスという相談窓口を検索して利用し、そこから弁護士さんと出会ったそうです。
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