フラメンコスカートの作り方

買うとちょっとお高いけれど、やっぱり色々欲しい…
と言うことで、発表会やライブの度に、試行錯誤で作ってきたフラメンコ衣装。
今回は、検索でも多い「フラメンコスカート(ファルダ)」の作り方を紹介します。
元々素人がなので完璧じゃないですが、自分で作ると4〜5000円以下で出来るし、好きな色やデザインで出来て、楽しいですよ。


●向いている素材
しわになりにくい化繊。ポリエステルが扱いやすいです。最近は、なかなか中厚の化繊生地が少ないですが…
ネットで買う場合、必ず生地見本を取り寄せましょう。踊りに向かない重すぎる生地は避けます。
でも、ふわふわ過ぎても、扱いが難しいので、ボランテ(ファルダのフリル※後述)をつけて、適度な重さにします。
私は、日暮里の化繊専門問屋さんで買うことが多いです。
夢の服地イーデン
http://www.rakuten.co.jp/iiden/
今は円高で、スペイン製の発色もデザインもステキな布が、リーズナブルに買えます。
aromas
http://aromas.jp/


透けるような薄い生地の場合、薄い綿で裏を作ります。
踊っているとかなり汗をかきます。
化繊が肌につくとベタベタとくっついて踊りにくい上に不快なので、相当厚手な生地以外も裏地が必要です。
綿は表地と全く同じものを断ち、2枚重ねて縫ってしまいます。
レース地(綿・化繊)やニット地も、踊りと裁縫に慣れた方なら、使えます。


●生地の用尺
デザインにもよりますが、本体には最低でも4.5m〜5mは必要です。
綿の裏は、ウエストからもも辺りまで付けるので、1〜2mくらいです。


柄あわせが必要な場合もありますし、初めて衣装を作る時は、作り直しの可能性も考えて、多めに生地を用意した方がよいです。
柄や色を組み合わせて作るのも楽しいので、まちや切り替えなどで色々な組み合わせを試してみてください。


ボランテをつける場合は、更に追加で必要です。ボランテの用尺は、後述します。


●その他必要な材料

  • ファスナー

踊っている時に弾けてしまわないよう、少し太めのものを使います。
コンシールファスナーは向かないと思います。

  • バイアステープ

第一にはスカート地の裏側に直接縫い付けてベルトになります。
踊っている時に圧迫されるため、所謂ベルト芯は使いません。
中にゴムを入れるのは、ウエストを意識できず、身体のラインがキレイに出ないためオススメできませんが、どうしても…という方は、この中に通すことが出来ます。


スカート裾の始末にも使えます。
半径1m程の180度の円形スカートの外周になるので、最低でも6〜7mは必要です。
バイアステープで裾を処理した場合、布の柔らかさが少し減って、裾やボランテがヒラヒラと翻る範囲が抑えられることがあります。

  • ホック

ストロングホックが適しています。


●身体の計測
図のように、自分の身体のサイズを計測します。


●スカートのデザイン
図のようにいくつかに分類しました。

マーメイド型は形はカッコイイのですが、かなり踊りにくいので、実際にはオススメしません。


スカート丈は重要です。
正式にはくるぶしが隠れる長さです。
これは、裸足で着用した場合は、床にこすれるかどうか…くらいの長さになります。
練習用で少し短めにする場合は、裸足の甲に裾が触れるかどうかが目安になります。


●型紙
市販のスリムなタイトスカートやワンピースの下半分などを利用します。







必ず必要なのは、仮縫いです!


型紙を利用して縫ったものは、普段の生活をするための余裕(あき)がかなりありますが、フラメンコを踊る時はウエストが身体にぴったりでないとずれてしまいます。
特にボランテをたくさんつけた場合、腰でスカートの重みを支える必要があります。


●裾の始末
一番簡単でキレイなのは、ロックミシンでウーリー糸を使った巻きロックです。
ロックミシンがない場合は、バイアステープで巻いたり、布と同じ色の糸でジグザグミシンをかけます。
ジグザグミシンの上にレースなどをつけると、縫い目も隠せて可愛いですね。


●ボランテ
スカートのデザインが決まり、採寸したら、ボランテの幅とどこにどれ位つけるかを決めます。
裾周囲の長さは、ウエスト(ヒップ)サイズとスカート長さから半径が出せるので、計算できます。
※スカート丈は、本来のスカート長さから、ボランテ幅をマイナスした長さ。ボランテとスカート本体の縫いしろを忘れずに。
大体の縫いつけ長さが決まったら、ボランテの用尺が計算できます。


ボランテは、内半径とボランテ幅で、随分イメージが変わります。
小さい径ではフリフリ度が高く、大きな径では、ゆったりしたフリルになります。


内半径5cmで10cm幅のボランテでは、縫い付け可能長さは1枚辺り31.4cmです。
縫いしろを含めても、約30cm。6mほどのボランテでは、ドーナツ型は20枚必要です。
幅90cmの布から切り取る時、1段で3枚取れ、用尺は30cmです。

20枚では、合計7段、2.1m程必要です。ボランテでかなり重量が加算されると判りますね。
使う布やデザインによっては、踊りにくくなるので、気をつけましょう。


ドーナツ型の型紙で、何枚か布を重ねてカットします。


手芸用の透明なクリップではさみ、ゴムボードと円形カッターを使うと、ずれずに重ねて切れます。
布の裏表に気をつけて、はぎ合わせていきます。
全部つなげたら、内径の縫いしろ部分をロックミシンかジグザグミシンで始末し、裾を処理します。