国宝「阿修羅展」

思い立って上野に行って来ました。
急いでご飯を炊いている間に、ネットで展覧会やチケット屋の情報を確認して、おにぎりを作って、いざおでかけ!
御徒町で降りてチケットをゲット(当日券から20円しか安くなってない…がっくり。ルーブル展も同じお値段。せめて前売り券の値段だったら、奮発して「ルーブル展」も見ようと思っていた。今回は、絵よりモノかな…と阿修羅さまを見ることに決定)し、ちらっとアメ横なんかをのぞいてから、上野のお山へ。


昔から、父がよく上野に連れて来てくれたのですが、当時はまだ「傷痍軍人の格好をした人」が数人、アコーディオンなんかをひきながら、「募金」を募っていました。父は「本当の傷痍軍事のはずないから」と唾棄する如く言っていました。子供心に「まじまじと見てはいけないんだ」と思っていました。
文化の香りと歴史の重みと生活苦が入り混じった、雑多なニオイのする街でした。
今は改修工事も着々と進んで、明るくオシャレな店もできています。でも、公園内には明らかに家のない方々がベンチで語らっていたりして、この雰囲気は変わらないんだろうなぁ…


彰義隊のお墓にお参りして、上野公園を突っ切って、久しぶりに国立博物館へ。
着いたのが11時くらいだったので、混雑もほとんどなく、5分ほど入り口に並んだだけで入れました。中もまあまあ、我慢できるくらいの混み具合でした(上野は、混んでいない時がないから)
東京国立博物館 興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」
平成館 2009年3月31日(火)〜6月7日(日)
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6113
阿修羅を含む八部衆の生の展示、やはり圧巻でした!
ガラス越しでなく、きちんと物体に向き合えて、表情も着衣の様子も目で見ることが出来て。展示のレイアウトも、結構良かったです。(上野のハコモノは元々狭い上に、展示レイアウトがダメダメな事が多いので、これは上出来の部類)
阿修羅さまは、別室におわします。
スロープを下りながら離れて全体像を見て、その後足元から見上げる形に上手く通路を作ってあって、ぐるりと全てを観察できます。
足腰の丈夫でない方、車椅子の方などは、視力の弱い方、ちょっとつらいかもしれません。(いつもこの辺のバリアフリーと公共施設の展示会の在り方が気になってしまいます)
阿修羅さまを含め、八部衆全員、みな「少年」の顔立ちなんですね。中には幼児の顔まであります。
高潮した様まで想像できるふっくらした頬、肌理まで読めそうな涼やかな顔立ち、すらりと細い手足が見る人をすがすがしい気持ちにさせます。
第二展示の写実的で堂々と肉太で圧倒的な四天王(運慶作)や観音像と比べると更に感じますが、それぞれの時代の宗教観や表現方法がよく出ていると思いました。


木陰のベンチで弁当をつかい、午後からは法隆寺宝物館を見ました。(入場チケットだけで、別料金はかかりません)
時間が有れば、ぜひ阿修羅展と一緒に見るべきだと思いました。
(庭を眺めながらランチやお茶が出来るすてきなカフェもあります)
飛鳥時代如来さま、菩薩さまは、皆大陸系の顔立ちで、顔と手のひら、足の大きさがとても大きいのです。
シルクロードを通って仏教が渡ってきた頃の雰囲気が、仏教具にも色濃く残っています。