ベンジャミン・バトン

映画通の知人も泣いた…というので食指が動き、見てきました。


実は最初は映画「エリザベス 」の印象が強く、ケイト・ブランシェットが無表情な感じがしたし、ブラッド・ピットだから見に行くという選択も全く無く、過去に大学の授業でフィッツジェラルドの作品を読んでイマイチ好きではなったので、見るつもりが無かったのですが…


チケットを買って気付きましたが、なんと上映時間が3時間!!
でも、全然1シーンも飽きる事無く、一人の男(と一人の女)の人生をたどり、ラストシーンを迎えました。
淡々と身の上に起こる出来事を語っただけなのに、なんて深く感動できるんでしょう。


見た後は、周りの(特に)女性は、やはりすすり泣いている人が多かったですね。


老人の体で生まれ、遡って行く最後はどうなんだろう、というサスペンス的な要素もあるし、生きる事、経験、人間同士の関係(友情、恋愛、家族愛)の普遍性が丹念に描かれていて、少しだけユーモラスで、ことさら悲劇的でもなくて、本当にしみじみと体に染み込むような作品でした。


若い時には「単調で面白くない」と感じられたフィッツジェラルドの小説を、読んでみようとも思いました。