秘太刀馬の骨#4

週末にお気に入り番組を見ながら酒を嗜む。うーん、至福♪


いよいよ後半に向けて、テンポの良い回だった(いや、私が酔っていたせいか…(笑))
荒れ果てた庭に積み上げた石塔。一つ石ころを乗せ、嬉しそうに指差し確認する銀次郎(内野聖陽)が、「不機嫌なジーン」の時の教授を髣髴とさせる。
「エースをねらえ」もそうだったけど、この人顔が濃すぎるから正統派イケメンより、こういうコミカルな役が良いかもしれない。
個人的には、多喜(麻里也)の顔に注目。普段の髪型と服装ではきっとまるきり雰囲気が違いそうだが、目の力と口元の表情が、とても良い。


段々と叔父の家老(近藤正臣)の企み、進まない銀次郎自身の秘太刀探索(叔父の命令で仕事として行っている)、叔父の子を身籠った多喜ちゃんとの切なげな関係、辛い中間管理職の生真面目・浅沼半十郎(段田安則)…とコマが出揃った。
江戸表から来た赤松という怪しげなキャラ、これは私のお気にのタニショーこと谷原章介と同じにおいがしますね!というか、もうタニショーさんはこんな役やってくれないのかなぁ。


次なる対戦相手は飯塚孫之丞(音尾琢真)。
御前試合で井森敬之進(尾崎右宗)に勝ちをゆずり、片思いだった素女(もとめ)を諦めたのだというネタでまた脅して、立会いをさせる。
そんな手まで使う銀次郎にあきれ果て、半十郎は家老の不興を買う覚悟で役を降りるとまで思いつめるのだが、実は銀次郎にはもう一つの粋な計画があったのだった。
5年も経って孫之丞と啓之進に本気の立会いをさせ、勝負を付けさせる。勿論、何も知らなかった啓之進に真実を含めて。
啓之進は素女を離縁してやり、やっと片恋同士だった男女が、やっと(5年ですよ!)結ばれた…


うーん、まさに藤沢ワールド!


実際には、武士の世界に自由恋愛が許されるようになったのは、江戸時代の半ば以降だという。
それまでは、家格と上司からの命令で縁を結ぶことがほとんどだったが、実は「愛しても結ばれぬ二人」「家の為に辛い思いを耐え忍ぶ女」…という暗い江戸時代のイメージは、かなり偏っているらしい。(ま、その辺にロマンを感じるのもわかるし、実際私もそういう作品は大好きですが!)
まぁ、見合いしてから恋愛…ってことですね。いや、それ以上の目的意識があったとも思う。
財産上、女と男はかなり平等で、家の運営管理にそろって力を合わせる…というカップルも多かった。
「嫁して3年…」というのも実際にはどれくらいあったか分からず、反対に離縁に際して、持分の財産を目録どおりに返さないといけないという法例もあるのだ(証文が多数残っている)。
嫁入りに持ってきた衣装が一枚でも欠けても、勝手に夫側から離縁はできなかったとか。妻の財産権はかなり守られていたらしい。
これは反対に、妻も家の構成員として重要視されていたと言う事。


さて、お話の方はどんどん進み、ついにリストの最後の一人になってしまう。
本当に秘太刀の伝承者はいるのか?もしかしてあの人?
役目を降りて、家老一派から切り離されてしまった半十郎だが、友情(好奇心?)から律儀に銀次郎の探索に付き合うという。男だねぇ〜!
めでたく跡継ぎの男の子を生んだ多喜ちゃん、銀次郎との仲は?
あ、因みに、側室が一生家にしばられ、髪を下ろさせられて侘しい余生を送るって話も多いんだけど、藩や家のお金をずっと使わなくてはいけないので、反対に降嫁させる例も多かったらしいよ。


そうそう、ナレーターの南果歩(半十郎の妻・杉江)の声も可愛くてしっとりしていて、気持ち良いですね〜。