私が原発事故に恐慌していない理由

全体公開でないところに書いたので、最後に自分のコメントだけ再掲します。
まあ、今まで私の日記で色々書いたことの繰り返しなんですが。
震災話題は自分の中では落ち着いていたので、しばらく日記にも書いていませんでしたが、今回、また色々考えました。


私は福島原発事故に対して、一貫して恐慌していないんですね。
放射能の知識を得て、数値的な根拠で、特別な行動を取らないでもよいと判断していることも有ります。
でも、根本的な私の人生観が関係しています。


「ニンゲン、いつかは死ぬ」
「生きていれば、生活を脅かすあらゆるリスクから完全に逃れることができない」
「リスクを想定しつつ、現状の中で幸せにくらしていくしかない」

という哲学です。


結婚して子どもを持つときは、
「子どもが障害を持って生まれてくるかもしれない。むしろ、障害を持った子どももウェルカム!」
と思っていました。
交通ルールを守って歩いていても、暴走する車に撥ね飛ばされて死ぬ可能性だってあるのだし。
怪我や病気や経年で、ニンゲンいつかは障害者(ハンディキャップを持つ人、チャレンジド)になります。


子どもや家族や自分が障害者だと、不幸で、笑って充実した時間も有る人生は送れないでしょうか?


確かに原発による放射能汚染は、自己責任である喫煙と違って、あきらかに他人に責任がある人災です。
しかし、喫煙者の親の下に生まれる子どもは、自己責任が無くても喫煙に巻き込まれています。
江戸明治の頃は子どもも多く喫煙していましたし、私の幼少時の3〜40年前でさえ、子どもの前で喫煙を遠慮する習慣もありませんでした。
喫煙の危険性を大きくプロパガンダするようになったのは、たかだかここ数十年です。
タバコは、乳幼児の家庭内での事故原因のトップになっていることも周囲の事実ですね。
産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターのHPの厚生労働省人口動態統計より
http://www.dh.aist.go.jp/AIST91DB/kids/pdf/chapter02.pdf
「人生のリスク」ということで考えれば、喫煙も放射能も、全く乖離したものではないように私は思います。


日本以外に目を向ければ、人生のリスクはもっと明確です。
生まれてくる国や地域によって、就学率どころか生死も大きく左右されます。
経済破綻している地域、紛争地帯に生まれる子どもはたくさんいます。
若い頃、重いリュックをしょって東欧の国やネパール辺りを旅行し、物の溢れた日本とは余りに違う風景を見てきました。
安全性の低い古い道路や建物、効率の悪い物流、種類の少ない食材、野良犬と一緒にゴミ捨て場(勿論日本のように、定期的にごみ収集車が来るなんてことはありません)に住む子ども…
それを忘れて、私はのうのうとは生きていけません。
それは、私の姿であったかもしれないのです。


だから腹を据えて冷静に、震災や原発事故を見ています。


放射能に関する過剰な不安と、それを周囲に大きく発露することは、差別につながるという危惧が、私には強くあります。
それについては、マイミクさんとやりとりをしたので、下記参照してください。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1703420159&owner_id=315917


「政府は数字を隠している」「目に見えずにじわじわと体内に入って健康を侵す放射能が怖い」「子どもへの影響がある」という不安は、確かにもっともです。
だったら、放射能の知識を学びましょう。
信頼の置ける研究機関の数値を、どのように解釈するかを学びましょう。


以下が、放射能に非常に不安を持っている友達に宛てたコメントの再掲です。

とにかく、いままで知らなかったもの(無かったものではない。生活環境で、原水爆由来も含め、放射性物質は存在するので)が健康被害の原因になるかもしれないと判ってしまった(そして結構、量が多い)ので、衝撃が大きいのが一番の問題点ですね。
アタシ達の生まれ育った50〜60年代って、米ソの原水爆実験で、今よりストロンチウムセシウムが何百何千倍も降ってたんですって。
下記はその表だけど、たぶんヨウ素も降っていたはず。
http://www.aomori-hb.jp/ahb2_08_t01_term.html
まさに「放射能エリート世代」


恐怖を感じるのは、本能的な危険忌避なので、当たり前だと思います。
でも、何しろ情報(一部はデマゴギー)の一端だけを得て不安に支配されちゃっている人が多いように思います。
不安が強いので、不安を募らせる情報を見ると「安心??」というか、満足しちゃうみたいですね。


そりゃ、放射線物質を特定しないと、ただの不安煽り材料だよね、予報図。
でも、天気予報図のようなイメージの、核種を明確にした予報図って感じなのが既にありますね。(日記にも書いたけどhttp://www.miraikan.jst.go.jp/linkage/quake2011/radioactivity.html
下段の予想図は福島由来のヨウ素131のもの)


政府・マスコミ含め、対応がまず過ぎるっていうのは、確かですね。
とにかく情報の公開をしても、データの読み方を知らないから、一般人が恐慌を起こすのは、ここ一ヶ月の経過を見ると一目瞭然ですよね。
情報公開も中途半端で、データから読み取れる事の説明が舌足らずすぎだし、情報の全文を読まないで、センセーショナルな部分だけ引用していたりします。


私は政府が情報を隠蔽しているとは思っておらず、恐らくは、情報の読解力と発信力(リテラシー)さえ低レベルだと思っています。
私は政府発表の情報は鵜呑みにはしてません、というか、余りあてにしていませんww


御用学者の退任の件も、誤読の部分が多いと思います。
そもそもこの人は放射線と健康の専門家ではないし、この値じゃダメだと言う根拠も言っていないし、どうも政治的な流れのようです。
下記、私がよく情報収集を行っているコミュの常連さん(分子生物学者さん)の日記。判りやすいですよ。
naka-takeさん
http://mixi.jp/view_diary.pl?full=1&id=1714591277&owner_id=454353


上記日記を全部読んでもらったら判ると思いますが、そもそも福島に用いられている避難基準、大人も子どもも、基準値に関しては「ぐん」どころではなく「ぐぐ〜ん」とマージンを取った数字なんです。
それが正確に一般人に伝わってないのは、情報発信側のミスと言うか、経験・想像力不足ですね。


まあ、とか何とか言いながら、私もここ一ヶ月で勉強した俄か論者だけど。
下記、私がよく参考にしている情報源(お宝・神情報多々!)
めちゃめちゃコメント多いけどね、是非ご一読を。


福島第一第二原発を冷静に考えるコミュ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=5554608


下記、その常連さんで、色々物凄く判りやすく教えてくださる方(放射線物質の分析専門家さん)の日記も紹介しますわ。
QAsh1800さん
http://mixi.jp/list_diary.pl?id=8757341