大奥

見てきましたよ〜!
想像よりずっと良い出来でした。
原作の漫画も素晴らしくて大好きだし、時代考証にうるさく、世界観が描かれていて現実味のある物語が好き…という条件の厳しい私でも、ALL OK!の映画でした。

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

のっけから価値観大変換の男女逆転の世界ですが、それ以外の設定がきっちりできていて、細かく作りこんであります。
時代劇好き、歴史好き、イケメン好き、ジャニ好き、二宮和也好き、BL(^^;;)好き…と多くの人に楽しめる作品だと思います。
特にBLの世界、ここまで映画にしちゃって良いのか…というギリギリのライン。
可愛いジャニタレやイケメン俳優が、大アップでキスや抱擁するのなんか、つい恥ずかしくて目をそらしてしまいます(笑)


ここからネタバレあり。
あ、でも、たった一つ。設定と言うか小道具で気になったのは風鈴です。
朝から軒下に風鈴が下がっているのは、間違いだろう!!
もともと風鈴は、夕方から寝るまでの間、音色を楽しんで涼をとるものだったはずだから。
一晩中チリチリと風鈴が鳴っていたら、うるさくて目が覚めてしまいますよ〜。


原作には無い追加エピソードがいくつかあるのですが、その一つがとても印象深く、物凄く効果的でした。物語を静謐で物悲しい世界にしています。
大倉忠義君演じる鶴岡の切腹シーン。
いくら剣や他の能力が優れていても、所詮大奥での出世に必要なのは美しい顔と処世術…と言いながら、衆目の中で剣で負けた鶴岡は、上司であり大奥の権力者松島の寵愛を失います。
最後の望みで仕掛けた闇討ちの真剣試合も、結局水野に負けてしまい、ついに切腹をしてしまいます。
それを見て、鶴岡が「武士らしく死ねる」ように、介錯をしてやる水野。
切腹は武士だけに許された、名誉を守れる最後の身の処し方です。
美しい容姿と装いで上役に体を売り出世しても、外にも出られずその能力も活かせないまま大奥で生殺しのように生きる上級武士の、最後の潔さなのです。
女だけの大奥よりもなお哀しい、男だけの大奥の姿を浮き彫りにしています。


あと、意外な俳優さんが出ていて、エンドロールを見てちょっとびっくり。
水野の父の竹脇無我とか。


なんと言っても出色なのは、豪華な衣装とセットですね〜〜!!!
衣装の柄や色の美しいこと!様々な文様の組み合わせもステキ。


しかし全編通じてつくづく感じたのですが、惜しむらくは…
にの、やっぱ、背が低いよ〜〜〜!!