武士の家計簿(追記)

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

映画の公式HPで予告とか紹介文を読んでいて、
「ん???おかしいなぁ。家に原作本があるはずなのに、知らない内容だよ…」
と、本棚の江戸時代関連書籍の奥のほうを探ると、案の定ちゃんと有ったのですが、未読でした!


発行されたとき、
「武士の生活の詳細が初めて明かされた」
と、江戸時代好きな人々には結構評判になったんですよね。
奥付を見ると2003年4月10日初版発行で、買ったのは同年5月20日で、もう5刷ですもの。


何故読まなかったかは不明…
多分、当時は江戸(直参)の武士関係の文章を書きたくて、旗本の日記などを一生懸命読んでいたからかな?(「旗本の経済学」松本重男 新潮選書)

旗本の経済学―御庭番川村修富の手留帳 (新潮選書)

旗本の経済学―御庭番川村修富の手留帳 (新潮選書)


…で、「武士の家計簿」を改めて読んでいますが、やっぱり面白いです。
小説ではなく論文なのですが、文章が平易で内容も人の実生活の事なので、とても読みやすいと思います。
数字の記録しか書かれていないのに、その行間の家族の暮らしの悲喜こもごもまで想像し、当時の背景や習慣などをうまく使って解説してあり、非常に判り易い。
一家族の歴史を綴ることによって、激動の幕末から明治大正にかけての多くの下級武士階級の変遷を知る内容にもなっています。


しかし、確か堺雅人、数学どころかお金の計算さえ物凄く不得意だったそうで、バイトでおつりをしょっちゅう間違えていたとか。
そんな人が、この天才的な経理のプロの役をやるのも、面白いめぐり合わせですね。