女性専用車両で考える

最近、通勤にはもっぱら女性専用車両を利用している。
別にエキセントリックな理由があるわけではなく、この時期の着膨れた人々のニオイにあたってしまうのを避けるためだ。
冬は厚着の上、洗濯回数も減って汚れやニオイがたまるし、寒い外気温と対照に車内は暖房で暑いので蒸されてしまい、しかもなんだか人の体臭や口臭も強くなっている気がして…
ニオイに敏感で、すぐ気分が悪くなってしまうのを避ける自己防衛なのである。
概して、女性のほうが身だしなみに気をつける人が多いようで、混み具合は一緒でも、空気の清浄さは正直かなり違うのだ。
今まで特に意識して乗ったことは少なかったのが、それ以外にも、こういう特典もあったのね…と最近思った。


以前、女性専用車両が増便されたとき、
「じゃ、その車両に乗っていない女は、触っても良いのかっていう人も出そうだよな〜!」
と、大バカな発言をして私に殺意を抱かせた人物もいたが(苦笑)、もともと犯罪なんだから言うまでもなくしてはいけない事だっ!!!


痴漢行為やセクシャルハラスメントは、強姦と同じだ!と言うと、大抵の男は苦笑するのだが、多くの女性は結構同意してくれるのではないだろうか?
「迷惑行為」なんていうから、犯罪の意識もわかないのだろうが、発生の背景や心理は同一だと思う。
男性女性を問わず、人の人格・存在・権利を侵し、心に傷を負わせること、自分の快楽や興味のために、人を蹂躙するのは何人にも許されないことだ、と言われれば、その深刻さを理解してもらえるだろうか。


もし男性であっても、妻や恋人、姉妹、娘、母が痴漢やセクハラや性犯罪に逢えば、怒り、哀しみ、傷つくはずだ。
ただ、電車に乗っているだけで、道を歩いているだけで、宴会の席にいるだけで、職場で仕事をしているだけで、弄ばれたとしたら…
怒り心頭に達し、傷つけられたみじめさに泣きまどい、自分の存在意義さえ否定したくなる。
もしくは自分が、顔立ちや服装や持ち物や自分では変えることのできない立場を理由に、他人から罵倒されたとしたら、やり場のない怒りに包まれるだろう。


私の身体は、私のものである。誰もそれを、勝手にはできない。
そして勿論、あなたの身体と心は、あなたのものである。
全ての人には、存在する権利がある。大げさな言葉でいうなら人権というのだろう。


他人を否定しないで生きていきたいという私の信条の元は、ここにある。