マークスの山

マークスの山(上) (講談社文庫)

マークスの山(上) (講談社文庫)

マークスの山(下) (講談社文庫)

マークスの山(下) (講談社文庫)

文庫化されたときに買っていたのに、途中まで読んで放っていたのを読み返す。
2003年発行なので、2年も発酵させていたわけだ。

当時はまだ療養中だったので、これだけの作品を読みこなす体力が戻っていなかったのだろう。
重厚で読み応えのある警察ミステリ人間ドラマだった。勿論大好きな「おとこ祭」だし(笑)
それにしても、こんな意外な結末だとは…読み進めながら
「まさか、まさか」
と思いつつ、それを目の前に突きつけられたときは、驚きよりも悲しみが沸いてくる。
突出した人間の異常な行動の落とし前は、これしかなかったのかもしれない。組織や階級や社会の狭間に取り残された彼には、ここしか残っていなかったのだ。
映画も未チェック。今度探してみよう。


そして、やっぱりもう一人の主役・合田雄一郎がかっこよくてクラクラした〜♪
過去を持つタフな長身の刑事。山男。関西弁。…しびれますね。


本の購入も、読書を始めるのも、独特のタイミングがある。読みたくて買ったはずなのに、何年も積んだまま…ということも多い。
買うのと読み始めるのでは、本と私の波長が異なるのだろう。
本屋で出会うのは、一期一会の感もある。特に目的の本が無くうろつく場合、本棚から本当に呼ぶ声が聞こえるような気になる。
本屋は私には魔のゾーンで、唯一物欲が止まらなくなる場所なので、なるべくお金があるときにしか行かないが…(笑)