真夜中の弥次さん喜多さん

いつもいつもいつもの引用、いきつけのれいこさんとこbdfdによると、
「前半ネタ全開で笑わせて、ストーリーは若干ブツ切れ、後半シリアスなんだか勢いがなくなってくるんだか……」
ってなぁ、クドカンの常套手段のようで(←ちょっと弥次喜多とT&Gの口調で言ってみる)。

家で軽く食事をとり映画館へ。自転車でいける距離は魅力だ♪
時間つぶしに、久々の書店散歩。気になっていた本を数冊買う。本屋に行くと、唯一ともいえる購買意欲が炸裂するので、なるべく行かないようにしているのだ。
この間「お気に」に決めた「祥龍餃子房」で点心一皿とビールを頼もうと思っていたのだが、本の買い物で予算オーバーしたので、近くのスーパーで缶ビールを買って映画館に入る。
いつもだと映画の前に予習はしないのだけれど、弥次喜多の「合本」も購入し、映画館のロビーでビールを飲みつつちょっと読んでみた。
漫画片手に映画館ロビーで缶ビール(しかも500ml)を飲むなんて、アタシも成長(堕落?)したなぁ……とちょっと思いつつ。ま、レイトショーだしって事で。
思っていた以上に、ディープで痛い内容。
映画は笑いの小ネタを散らしている分、ちょっとは救いがあるかも。
そもそも、「東海道中膝栗毛」も大人の現実逃避の話なのだと初めて知った。ちゃんと読んだことはない。
多重構造のストーリー、それぞれのシーンが、現実なのか妄想なのか別世界なのか、行ったり来たりの青春ロードムービー

いや、この映画、奥が深い。
見かけよりずっと哲学的で、生死観や人の存在価値を問うた意欲作。原作もまさにそうなのだが、あの絵柄で入れない人も居るかも。映画になって、さらに口当たりは良くなっていると思う。
そしてまごうことなき、純愛映画。

帰宅してダンナに「面白かった?」と聞かれたけれど、一言で「面白い」とも「オススメ」とも言えない。でもよく出来た印象深い作品である事は確か。とても好きだ。
大学生くらいの兄ちゃんが
「何が言いたいのかよく分からなかった……」
とつぶやいていたけれど、それが多分スカっとしていない終わり方と、演出上のネタに振り回されてしまったかな。私には分かりやすい話だった。
若い人に、見て欲しい。

キャスト的に言えば、やっぱり長瀬智也くん、最高っすね(笑)
この人、頭の形が良いから髷が似合うの〜!T&Gの劇中劇で長屋の住人の格好しているのも素敵だし。
七之助くんとの本気のキスシーンもいくつもあって、そういう方面好きの方にも美味しいかと(笑)
あと、色々な方がゲスト出演していて、探し出すのもお楽しみ。
一番すごいのは古田新!役名はシークレットらしいね。登場シーンはビックリ仰天です。
そして阿部サダヲ荒川良々、良い所押さえていて、揺るぎ無い。やはりこういう個性的な演技派の人々が脇を固めていると、厚みが出るね。