その時歴史が動いた「安政の大地震」

幕末の風雲を暗示するかのように安政年間、日本各地を襲った大地震
災害と政治を揶揄したなまず絵、ニュース速報の読売(かわら版)なども流行したが、紀州のある村で、地震津波の被災から復興までの詳細記録が残されていた。


江戸の大きな醤油屋の主人「濱口梧陵」が、生まれ故郷に帰省中出会った大きな災害「地震津波」。
例を引くまでも無く阪神大震災や最近では新潟中越地震、インド洋の津波…胸がつぶれるような天災が思い出される。


とっさの判断で避難路を確保したリーダーシップだけでも、さすが判断力の有る大商人だと思うが、全壊した村から離散する人々を励まし、私財を投げ打って人々に手間賃を支払い、自分たちの村を守る堤防を自分たちで築いたというから驚きである。
行政ではなく、民間での事業としては大変珍しいとの事。勿論、堤防は今でも残っており、数々の津波被害を未然に防いできたのだ。


年間数百両、数年かけた大事業。太っ腹で大胆な人かと思いきや、写真は意外に穏やかそうな顔なのも印象的だった。