風雲児たち(みなもと太郎)

風雲児たち 幕末編 (9) (SPコミックス)

風雲児たち 幕末編 (9) (SPコミックス)

以蔵といえば、司馬遼太郎の短編もとても有名ですが、個人的にはなんと言ってもみなもと太郎の「風雲児たち」や「雲竜奔馬」が強烈に印象的です。
やっぱり単純に、絵である迫力というのも理由ですが、人物が二枚目でなく、悪役でもなく、凄く人間臭いんですよね、この作品は。
単なる漫画の域を超えた、名著だと思います。劇画調でなく、とっつきやすいのもイイです!
(オマケのオススメは、氏が自費出版で出している同人誌「風雲児外伝」)


本編(現在は「幕末編」)のワイド版の2巻が、私は一番好きです。


戦国の戦乱が治まり、徳川幕府の礎の頃のほんのひとコマの小さな恋。
秀忠の正妻でさえならなかった「徳川の女」になると誓う娘…
小心者の二代将軍秀忠と静ちゃんの短い恋が、数百年後の幕末、最後まで徳川を守ろうと孤軍奮闘した会津藩の始祖に繋がるのですから。
この間の時代のうねりに、感嘆せざるを得ません。
実は何度読んでも、ここで泣いてしまう私です。